Heaven~第ニ章~

まだ誰も居ない更衣室に戻り、着替えてお店を後にした。

あっ、連絡しなくちゃ……
って何で私があいつらに気を使わないといけないのよ。

苛立ちを電話の相手にぶつけるようにボタンを押した。


"店は?"


かいこ1番それ?


「辞めた」

"辞めた?"

「だから、迎え来なくて良いから」

"あ?つば……"


獅朗がまだ話していたけど、スマホを切りそのまま電源を切ってポケットに押し込んだ。


これで獅朗達との関わりも減るだろう。
そう思いながら、久しぶりに電車に乗った。


まだ早い時間だけあって、制服を着た学生の姿もあった。


友達同士で笑っている。
彼女達にとってみたら、当たり前なんだろうけど、私には当たり前に出来なかったこと。


ふと思い出した。
学に返して貰った制服のことを。