Heaven~第ニ章~

「全部奪ってやるよ!」

「え?」

「椿が桐谷だって言うなら、そのまま全部。桐谷ごと俺が椿を奪ってやるよ。それなら問題ないだろう」



獅朗が嘘をつかないのが分かるから怖かった。
学を想い自分の肩に学の代名詞の真っ赤な牡丹を入れてるのに、
これを見る度、獅朗も学を思い出す。


そんな辛い思いをしていたら獅朗が壊れてしまいそう。


「無理しないでよ……」


獅朗だけじゃない。
きっと私も壊れてしまう。


学を失ってもう嫌だった。
大切なものを作って、それを失うことが。


獅朗から顔を背けると「椿、俺を見ろ。逃げんなよ」と私の頬を両手で挟んで視線を合わせる。