Heaven~第ニ章~

秘密基地まで行くとそのまま私をソファーへ投げるように座らせた。


「った」


獅朗を睨んでも顔色一つ変えず私の隣に座った。


「今日何してた?」

「だから、クラブで」

「クラブに行く前だよ。真澄に会う前。バイト終わってから何してた?」


知っているくせにそれを言わない。
何時も、何時も私の口から真実を聞きだそうとする。


獅朗の長めの前髪の奥にある、真っ黒な瞳が私を映している。


獅朗に嘘は通用しない。
真っすぐな獅朗には嘘をつく気もない。


「獅朗には関係ないじゃん」


そう言って獅朗から瞳を逸らすしかなかった。