Heaven~第ニ章~

「椿、真面目に答えろ」


誰かと居たら、何かを見つけられるかもしれない。
誰かの温もりを感じたら、何かが変わるかもしれない。







「一人で居たくなかっただけ……ただそれだけ」






そう言って獅朗に背中を見せるように座り直し瞳を閉じた。

車内からは洋楽が子守唄のように聞こえ、酔っているせいか眠りを誘う。

いつの間にか眠っていたらしく「起きろ」と獅朗に体を揺らされ瞳を開けた。


「着いたの?」

「あぁ、降りろ」


車内でもたつく私を引きずり出すように腕を引っ張った。