Heaven~第ニ章~

クラブを出ると目の前には何時もの黒塗りの車。


「バイクじゃないの?」

「は?バイクでどうやって酔っ払い連れて帰るんだよ」

「そっか、」

「早く乗れよ」


後部座席へと押し込まれ、隣に獅朗が乗った。

そして「出せ」と運転手に言うと車がゆっくりと走り出した。

シートにもたれグルグル回る視界を閉ざすように瞳を閉じた。


「椿」

「……」

「寝てんじゃねーよ」


体を揺らしそれを獅朗が邪魔をする。


「何?」

「さっきの男、知り合いか?」

「さっきの男?」

「隣に居た男だよ」