Heaven~第ニ章~

「でも、勝手に帰ったら心配するし……」

「それなら心配ねーよ。真澄から連絡来たからな」

「真澄から?」

「椿が酔って手におえねーからってな」

「え~さっきまで楽しく飲んでたのに」

「うるせーな。グダグダ言ってねーで歩けよ」


そう言ってクラブの入口の方へ歩き出した。
暗い店内でも獅朗は目立つらしく、周りに居た女の子達がキャーキャーと騒ぎ出した。


「おモテになりますね」

「は?何言ってんだよ」

「別に……」


わざとらしく獅朗が私の耳元に顔を近付けて来た。
そのしぐさに周りの声が悲鳴のような声にかわり、思わず笑ってしまった。