Heaven~第ニ章~

「真っ赤な牡丹か」


マサが呟くように言って「分かってると思うけど、入れたら一生消えねーし、厳しいとこはプールだって入れねーんだぞ。それでも入れて後悔しねーか?」


「後悔しない」


絶対にするわけない。


「なるほどな。ちょっと待ってろ」


マサはカウンターの下からスケッチブックと鉛筆を出して何かを描きはじめた。
そしてすぐ「こんな感じか?」とそれを私に見せてくれた。




「なんで……」




スケッチブックにはあの日の牡丹が描かれていた。

私はそのスケッチブックを強く抱きしめた。


「前に見たことあるからな……」


マサはそれ以外何も言わなかった。
その牡丹が何に描かれ、何処で見て、誰のものなのか。


だけどマサは知ってるんだと思った。
私が入れる牡丹が誰の真似で、誰のためなのか。