「ターゲットにする相手を間違えたんじゃない?」


隣で焼きそばパンを食べながら呟く郁。



「そうだよな・・・って真白花選んだのお前だから!」



俺は郁に視線を向ける。



「そうだったな。でも俺は、花が嫌いだし」


そう呟いた郁の表情は、まったく感情が読み取れない。



さすがはポーカーフェイス。



「・・・あれ?郁って真白花と仲いいの?」


「は?なんで」


「だって今、花って・・・」



そういいかけて言葉を詰まらせたのは、郁の表情が少し変わったから。



クールで切れ長な目を少し丸くさせ、肩が少し跳ねた。