奏で桜

…どうしてなんでしょうね。
今ならこの人の気持ちが痛いほど
わかってきちゃうのよね…。


…やっぱり、なんか共感
出来ちゃうからかしらね?」


こちらに向かって、淋しそうに
微笑む彼女は、また再び月を
仰ぐように見て、その華奢な腕を
月に向かって伸ばした。



「…あの月の向こう側は今もずっと
自由に人々が栄えているのかな?
街は豪華絢爛とばかりに
光り輝いていて、人々はその中で
唄い、踊り、噺し、愉しむ。
ある者は友人と共に笑みをこぼし合い
ある者は恋人と共に愛を語り合う。
人々はそれぞれの〝生〟を
実感するように、これまでも、
この先も生きていく…。