「そろそろ食器を
片付けてきてくれる?」


漆黒で塗りつぶされたような
髪色をした女性は
いつも通り、僕に指示を出した。

そして僕もまた、いつも通り
その指示に従うのだ。

しかし、いつも通り
食器を片付けようと食堂に近づくと
これまた、〝いつも通り〟
彼女の怒声が聞こえてくるのだった。


「どうしてっ!?どうして私を
外の世界に出してくれないのよっ!」