奏で桜

過去に似通ったことを言われたのを
私は思い出していた。



そして、その言葉が〝また〟
私の心の紐を優しく解いていくのがわかった。







…いま、納得した。
彼が一緒にこっちの世界に来た理由も
私が彼を〝何故〟選んだのかも、全部。






「なによ、それ…。貴女そんな下らない
理由で…。バカじゃないの…。
ほんと馬鹿よ…。








…馬鹿〝アルト〟…。」



〝彼〟は最初からなにも変わっていなかった。


私が勝手に思い込んでいただけだった。

私が勝手に誤解していただけだった。




久しぶりに彼の名前を呼んだ気がする。