奏で桜

「レンタルビデオ店に、飲食店、
スーパーに、たしか、土木関係も…
まぁ、色々と調整して、いまは〝3つ〟
くらいに落ち着いているらしいけどね。」



彼女は言い直さなかった。

彼女はまっすぐな語り手を演じる。
嘘のようには聞こえない。
でも…




「…うそ。嘘よ!あいつ、私が起きる時は
大抵家にいるもの!そんなに働いているのなら
帰ってこられる方が不自然よ!!」



そう、あいつは私が起床する頃は、
だいたい家にいた。

あいつが不器用ににこりと笑いながら
挨拶をするのを私はまだ覚えているからだ。



だから彼女の言うことはおかしい。


あいつがそんなに働いているなら
あいつはなんで家に…






「…だったら貴女は尚更、
彼に感謝しなければいけないね。



私は彼が働いているところを直に
見たことがある。