「紅茶でございます。」


「ん。ありがとう」


「…お嬢様。出過ぎた真似だとは
思いますが、お召し物を
きちんとご着用されては
いかがでしょう?
仮にも〝一屋敷の当主〟にもなろうとしていたお方がそのような
はしたない格好をするのは…」


僕がそう言い出すと
彼女はあからさまに
不機嫌そうな顔をした。
そして手に持っているティーカップを
テーブルに置き、こう言葉を綴った。