恵里菜が訊いてきた。
「そういえば、みなみってよく京都行ってるよね」
「うん、彩さんいるしね」
みんなで楽しく遊んでリフレッシュしてるよ、とみなみはいった。
「いいなぁ…あ、今度一緒に連れてってよ」
「それは私は構わないけど、恵里菜のスケジュールは?」
「有給を消化しなきゃなんないから、それ使おうかなって」
「それなら大丈夫かも」
約束を取り付けて、恵里菜はエレベーターを降りた。
「…有給、かぁ」
みなみはぼんやりしながら、一慶との関係をどうしたものか考え始めていた。
夜。
一慶とメールでその話になると、
「有給の消化?」
それはフリーになる前触れなんかなぁ、と一慶は何気なく返してきた。