そうした中。
近所の公園からの帰り、みのりが石段から落ちて怪我をしたことがあった。
「…みのり、みのり!」
みなみは焦った。
が。
とりあえず救急車を呼んで、みのりは市内の病院に運ばれた。
これが周囲に知れたのは夜で、
「ちょっと…みのりちゃん大丈夫?」
慌てて駆け込んできたのは愛である。
「愛ちゃん、日本にいたんだ?」
てっきり海外にいるものとみなみは思い込んでいたようであったが、
「今度、日本で番組出なきゃなんなくってさ」
奇貨と言う他ない。
それはいい。
「でさ、輸血はどうなの?」
みなみは言われてハタと気がついた。