週が、明けた。
いつものようにみなみは原稿をチェックして下読みを済ませると、少し早めにスタジオに入った。
通常なら一慶がいる。
が。
この日はいない。
そこへ秋月しおんが入って、
「来てくれたんだって?」
「本場の宝塚、ウェストサイドとレビュー見ました」
すごくかっこよかったです、とみなみはいった。
「ほら、やっぱり本場は違うでしょ?」
「キラキラしてますよね」
「…そういえば兵藤先生は?」
「まだ来てないですよね…宝塚行ったときにご馳走になったんでお礼言いに来たんですけどね」
そこへ。
「秋月さん、ちょっといいですか?」
呼びに来たのはみなみと同期のスタッフの笹森である。
なにやら話している。
途端に。
秋月しおんの眉間にしわが寄り、顔つきがにわかに厳しくなった。



