「沙々……」


「離せ、つり目。」


桐山が手を離すより先に、御岡くんが私を前に引っ張ってくれた。


「行こっか。

またな、桐山。」


御岡くんは早歩きで私を引っ張っていってくれた。




しばらく歩くと、小さな公園に着いた。


御岡くんは私をその中のベンチに座らせてくれる。


ああ、なんかいつかのデジャヴだ…。



「大丈夫?」


「うん。」



歩いているうちにだいぶ落ち着いた。



「桐山、なんでいたの?」


「分かんない。

御岡くんと会うことは言ったけど、時間も場所も……」


「まぁいいや。

ビックリしたろ?ちょっとここで休んでからゲーセン行こう?」


「うん、ゲーセン。楽しみにしてたんだ。」



私が笑うと、御岡くんは安心したような表情をした。