翌日-― やはり桐山は朝から私を「沙々」と呼ぶ。 変で、ちょっとコンプレックスだったこの名前も、 桐山が呼ぶと綺麗に聴こえる。 でも、そんな呑気なことを考えている場合じゃなかった。 私が桐山と仲良くなるごとに 美羽が傷ついていくのを忘れてはいけなかったのに…。