その瞬間、桐山が私に顔を近づけ、今日初めてのキスをした。



いつもと高さ逆だ。



唇を離した時の桐山の色っぽい顔が私の熱を上げる。



「桐山……」



思い出した。


この気持ち…





いとおしいってやつだ。




私は桐山がいとおしくっていとおしくってしょうがないんだ。




体の中から沸き上がる熱に我慢できなくなり、私は桐山にぎゅっと抱きついた。



私の持っていたハンカチが桐山の膝の上に落ちる。


ベンチに座ってるのに、ほとんどおんなじ高さだ…。


そんなこともまた可笑しく感じた。





桐山がまた私の頬に触れ、キスをする。


いとおしい時が流れた。