翌日-


「美羽……」


「おはよう、沙々。」


昨日必死で目元を冷やしたお陰で腫れはずいぶん引いた。


美羽の腫れもあまり目立たなくなっていた。




「あの……」


「桐山くんのこと?」


「う…うん。」




美羽は下駄箱の中の上履きと履き替え、少し間を置いて言った。




「……別れたよ。昨日。」





「別れ……た…。そっか……」


「別れようって言ってるのはこっちなのに、本当ごめん、だって。

笑っちゃうよね?」


「……美羽…」


「さ!教室行こう!七美と立夏も心配するしさ!」



「…………



うん、そうだね。」



私は久しぶりに美羽に笑いかけた気がした。