鈍感ちゃんと意地悪くんの周囲の人々

手を挙げるのをためらっているとき、二人の話し声が聞こえてきた。
わたしは、好きな瀬田君と恋敵の立花さんの声は、小さい声でもよく耳に届く。

「ああ、瀬田、選ばれたの?
よかったねぇ。
出ればいいじゃない、折角なんだから」

「お前ってほんとにな……」

二人一緒に注がれている視線なのに、立花さんはやっぱり鈍い。
瀬田君が一人で視線を集めた、と思っているらしい。