帰りのホームルームが終わって、暫く経った。
帰り支度をしている俺の目に映るのは、相変わらずな二人だ。
机に投げ出した細い腕に、小さくて可愛い顔を置いて、未だ眠りこける立花ちゃん。

世界史の始めからホームルームの終わりまで、よくもまぁ……。
ま、俺も眠かったけど。

う~ん、と身じろぐ姿まで可愛い。

隣の席で彼女のことをじっと見つめる瀬田の顔がニヤニヤしている。
イケメンだけど、表情がとろけ過ぎてて、若干見ていられない。

「あれ?」

寝ぼけた声で目をこすりながらキョロキョロし出す立花ちゃん。
さっきのニヤニヤぶりはどこへ行ったのか、呆れたような顔にシフトチェンジする瀬田。

「お前なぁ……。
随分堂々と寝てただろっ!」

瀬田、その技、なんなの?