「あ、本当に手を繋いで来た」

さっきの高橋との会話を思い出して、笑いがこみ上げる。
普段からイチャイチャしてるけど、今日を皮切りにますますイチャイチャだ。

このふたりは、どれだけ周囲に甘い空気を撒き散らせば気が済むのか。
今まででさえ、甘すぎてこっちが困ることが多々あったのに。
ちょっとこれからどうなるのか、見当がつかないほどだ。

「二人の周りだけ、春が来たって感じだな」

高橋がやれやれ、と笑う。

「真夏だろ、常夏」

「言うね、委員長!」

俺たちはもう笑うしかなかった。