老婆にもらったブレスレットを太陽に透かしながら、家への道のりをのそのそと歩く。

このルビーが本物なのはわからないけれど、太陽の光できらきらと光るそれは何故だかすごく綺麗だった。

なんとなくブレスレットはめてみる。

「似合わねぇな…」

第一、女物のブレスレットなんぞ似合いたくもないけれど。
こんなところを知り合いに見られたら色々とまずいと思い、ブレスレットを外そうと手をかけた。
…はずだった。

「え。」

ところが、ブレスレットは俺の腕から動かなかった。動くどころかびくともしなかった。