蠍の星


店の棚には
古本やわけのわからない骨董品が所せましと置かれていた。
見渡すかぎり
物、物物物物物物……


「なんか探してんのかい」


愛想の無いぶっきらぼうな声が俺の耳をさした。

「…いえ、少し立ち寄ってみただけでして」

声の方へ振り向きながら
恐る恐る返事を返す。

声の主は少し強面な白髪の老婆だった。確信はないけれど、おそらくこの店の亭主だろう。

「そうかい。ゆっくりしてきな。できるような所でもないけどね。」

そう言いながら本を整える老婆。

ふと、また店をみわたすと
僕の視界になんだか赤い光がきらり。