蠍の星


このクソ暑い中、長袖を着ているワケは
時を15分ほど遡る。




一人、地元の商店街をぶらぶらと
宛もなく歩いていると
16年間ほぼ毎日
通学路として使っているその道に
見たこともない古めかしい店が一軒。

昨日通った時は
こんな店なかったはずだ。
不気味に思うと同時に
好奇心に負けてその店に立ち寄る。

やけに年期の入った
重たいドアを開けると
店の雰囲気に合わない鈴が
カランと軽やかに鳴った。


中は骨董品と古本のにおいに満ちていた。湿ったホコリっぽいような、におい。