物心ついたときにはこの置屋にいた
自分と同じような立場にもうひとり
少し年上の お兄さんが
ううん、他にも僕みたいな子達がなんにんも
でも
「あかんあかん、お前らはあっち座ってぇ」
「ほら、ふたりはこっち」
なぜか僕らふたりだけ、
「これ着たらどないや」
「よう似合うなあ、色白は何着てもはえるわ」
陰間茶屋とよばれるこの置屋で
まだ太陽と仲がよく日に焼けた子らのなかで
同じように遊んでも黒くならなかった僕らは
遊びに来る旦那はんやお座敷にあがるおとお姐さんとよばれるお兄さんたちに
たいそう可愛がられた
「苦しい・・」
きゅっと締められた帯に思わずつぶやく
「我慢し」
僕と同じように着物を着せられたお兄さんは表情ひとつかえず
ちらとこちらをみるわけでもなく、そう言う
うん、とうなずくしかできなくて
それから何度も何度も着せ替え人形にされた僕らが部屋にもどった頃には
他の子らはもう夕飯を済ませたあとだった
「腹減ったわ」
顔に似合わない乱暴な口調でお兄さんが言う
「その、はよ飯食って遊ぼうや」
「うん」
「俺はな、いつかこんなとこ出て行く、お前もそうし」
「へそん兄ちゃん、どうやってそんなんできるん?」
「それは・・・大人なったらわかるわ!」
そういって少しさめた白ご飯を書き込むへそん兄ちゃんに
負けじとぼくもご飯をかきこんだ
幾度となく繰り返された僕らの会話
そして僕らは
いつしかお座敷に上がるようになった。
自分と同じような立場にもうひとり
少し年上の お兄さんが
ううん、他にも僕みたいな子達がなんにんも
でも
「あかんあかん、お前らはあっち座ってぇ」
「ほら、ふたりはこっち」
なぜか僕らふたりだけ、
「これ着たらどないや」
「よう似合うなあ、色白は何着てもはえるわ」
陰間茶屋とよばれるこの置屋で
まだ太陽と仲がよく日に焼けた子らのなかで
同じように遊んでも黒くならなかった僕らは
遊びに来る旦那はんやお座敷にあがるおとお姐さんとよばれるお兄さんたちに
たいそう可愛がられた
「苦しい・・」
きゅっと締められた帯に思わずつぶやく
「我慢し」
僕と同じように着物を着せられたお兄さんは表情ひとつかえず
ちらとこちらをみるわけでもなく、そう言う
うん、とうなずくしかできなくて
それから何度も何度も着せ替え人形にされた僕らが部屋にもどった頃には
他の子らはもう夕飯を済ませたあとだった
「腹減ったわ」
顔に似合わない乱暴な口調でお兄さんが言う
「その、はよ飯食って遊ぼうや」
「うん」
「俺はな、いつかこんなとこ出て行く、お前もそうし」
「へそん兄ちゃん、どうやってそんなんできるん?」
「それは・・・大人なったらわかるわ!」
そういって少しさめた白ご飯を書き込むへそん兄ちゃんに
負けじとぼくもご飯をかきこんだ
幾度となく繰り返された僕らの会話
そして僕らは
いつしかお座敷に上がるようになった。
