――翌日の朝。
自分の部屋で制服に着替えていると、お母さんが部屋のドアを開ける。
「結雨、お母さん仕事行くわよ?」
「あ、うん」
「朝ごはん、用意してあるから。学校遅刻しないように、湊くんのこともちゃんと起こしてあげてね」
「うん、わかった。いってらっしゃい」
お母さんは笑顔であたしに手を振って、仕事へと向かった。
制服に着替えたあたしは、湊の寝ている部屋へ向かう。
――ガチャ……。
布団の上でスヤスヤと気持ち良さそうに寝ている湊に、あたしは呼び掛ける。
「湊?朝だよ」
「…………」
まったく起きる気配はない。
あたしは布団の横に座り、湊の体を揺する。
「湊ってば、起きてよ。朝っ!」
「んん……っ」
湊はまだ寝ぼけているようで、瞳を閉じたまま、あたしの手を無意識に退けた。
起きる気配のない湊を見て、あたしは大きくため息をつく。
「学校遅刻するよ?湊!いいかげん起きなさいよっ」
湊の頬を叩きながら起こしていると、あたしは体ごと布団の上に倒された。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
