高3の春、突然親たちが再婚すると言った。
そうしたい本当の理由を知ったのは、ずいぶんあとだった。
湊のお父さんは、家族として病気のお母さんと、あたしのことも支えていきたいと言ってくれた。
お母さんは、自分がいなくなったあと、
あたしがひとりぼっちになることを心配して、あたしに家族を作ろうとしていた。
湊のお父さんは、
湊とあたしが付き合っていることを知ったあと、湊に別れろと言ったらしい。
あたしたちはまだ子供だから。
高校生だから。
そんな理由で、あたしたちの愛を信じてもらえなかった。
いまは真剣でも、いつかあたしたちが心変わりをしたり、
別れてしまうこともあると、
湊のお父さんは考えていたらしい。
だから湊は、あたしと結婚をして、
夫婦になって、
家族になると言ってくれた。
そうすれば、親が再婚しなくても。
あたしたち4人は、家族という形になる。
お母さんのことも、安心させてあげられる。
最初はもちろん反対されていた。
だけど湊がお母さんたちを説得してくれて、
あたしたちは高校卒業後に結婚することになった。
みんなの前でキスする前に言った“予行演習”は、
きっと、結婚式のことを考えて言ったんだと思う。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
