琥都と奈乃によって、あたしたちは無理やり壇上の上に連れてこられた。
「あとで覚えてろよ?」
湊は、縛られていた手が自由になると、琥都の肩をグーで殴った。
「はいはい、あとでな」
琥都と奈乃は、ニヤニヤしながら壇上からおりていってしまう。
「あ、ちょっと、ふたりともっ」
壇上の真ん中に立たされた湊とあたしは、顔を見合わせる。
「おまえ今年はないって言ったじゃねーか」
「あたしだって、ヒミツにされてたんだから仕方ないでしょ?」
司会の快は満面の笑みで、あたしたちのほうに歩いてきた。
「ねぇ、快のその格好なに?完全にヤバいひとじゃん」
頭にネコ耳つけて、黒いマントつけて、胸はだけてるし……。
「ヤバいひと言うなっ!一応ドラキュラ!もうすぐハロウィンってことで」
「ドラキュラ?その耳なんだよ?」
「この耳は、くぼっちが勝手につけたんだよ」
ああ、くぼっちね……やりそうだわ。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
