「湊は、お母さんからどこまで聞いた?」
「ここの喫茶店で、結婚記念日を毎年家族で祝ってたってことだけ」
「お父さんとお母さんってね、高校生のとき両想いだったんだって。でも当時は、お互いに想いを伝えられないまま卒業しちゃったみたいなの」
お互いの連絡先も知らずに、卒業して。
「それから一度も会わないまま大人になって……」
ある夏の日、突然の夕立で外は激しい雨。
仕事帰りのお母さんはバスを降りて、この喫茶店の前で雨宿りをしていた。
そこに、仕事の人と会っていたお父さんが喫茶店から偶然出てきて、
ふたりは高校の卒業式から数年後に、再会した。
「この喫茶店の前で雨宿りしてるときに、ふたりはお互いの想いを伝え合ったんだって」
運命的な再会をした、お父さんとお母さん。
時が流れて、何年経っても。
心の片隅には、ずっと消えない想いがあって。
忘れられなくて。
ふたりはやっと、想いを伝え合うことができた。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
