涙があふれて、頬を伝って落ちていく。
「……湊くん、結雨のことお願いね」
「……ん」
「結雨はシッカリしてるように見えるけど、本当は甘えんぼうなのよ」
「うん。それに泣き虫」
「そうね、私よりも湊くんのほうがずっと結雨のことわかってるわよね」
「小さい頃からずいぶん長い時間、アイツと一緒にいたから」
「湊くんがいてくれてよかった。湊くんのおかげで、安心して天国にいけるわ」
ふたりの会話を廊下で聞いていたあたしは、いつまでも涙が止まらなくて。
病室に入っていく勇気がなくて。
あたしはその場から静かに立ち去った。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
