「おばさんが退院したら、作りながら結雨に教えればいいのに」
「それでも……きっと全部は教えられないだろうから」
その言葉を聞いて、胸が張り裂けそうだった。
「おばさんの料理、俺ホント好き」
「湊くんたら……でもうれしいわ」
「母親のいない俺には、おばさんの料理が家庭の味だし……おばさんは、俺にとって母親同然だから」
「私もよ。一緒に暮らしてるときも、こんなカッコイイ息子がいたらいいのにって何度も思ったわ」
「おばさん……」
「なぁに?」
「生きて……1日でも長く」
「ええ、そうね」
「おばさんが退院したら、俺なんでも手伝うからさ」
「ありがとね、湊くん」
「いままで俺、散々面倒みてきてもらったじゃん。おばさんに少しずつ返していかないと」
……湊、ありがとう。
お母さんに優しくしてくれて、本当にありがとう。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
