病院に着いたあたしは、面会の手続きを済ませてお母さんのいる病室に向かう。 廊下を歩いていくと、開いたままの病室のドアから、お母さんと湊の会話が聞こえてきた。 あたしは病室の前で立ち止まる。 廊下の壁にもたれたあたしは、中にいるふたりの会話を黙って聞いていた。 「湊くん、これ湊くんに預けておくわね」 「これって……結雨のために?」 なんだろう……? あたしはふたりに見つからないように、中の様子をのぞきこむ。