「結雨……」
お母さんは、あたしの髪にそっと触れる。
「本当にきれいになったわね……」
「お母さんに似たんだよ」
「あんなに幼かったのに……もう高校3年生だものね……」
「あっという間だった……?」
「そうね……」
お母さんは、あたしの瞳を見つめる。
「結雨の大人になった姿も、花嫁姿も、そばで見てあげられなくてごめんね」
お母さんはあたしの頬をなでながら、声を震わせて言った。
「いつか結雨が子供を産んだとき、何も手伝ってあげられなくて、ごめんね」
「……お母さん、そんなこと言わないで……」
「結雨のそばに……ずっと一緒にいてあげられなくて、ごめんね……」
「お母さん……っ……ううっ……」
死んじゃ嫌だよ。
お願い……死なないで……。
「あたしのそばにいてよぉ……」
ずっと、ずっとそばにいてよ……。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
