恋する僕らのひみつ。




……小学生のとき、あたしは何も知らなかった。



だから最後まで、お父さんに何も伝えられなかった。



大好きだよって。



ありがとうって。



伝えたい言葉はたくさんあったはずなのに、



あたしは何も言えないまま、お父さんは死んでしまった。



心の傷は、決して消えることはなかった。



あたしはまた後悔するところだった。



あのときよりも、ずっと。



お母さんを傷つけてしまった分、自分を許せなかったと思う。



このまま何も知らずに時間が流れていたらと思うと、



すごく怖かった。



悲しい罪を重ねるだけだった。



湊は、そんなあたしをそばで見ていて、



本当につらかったと思う。



何も知らずにお母さんを傷つけるあたしに、本当のことも言えなくて。



あとで知ることになるあたしの、後悔の大きさを考えて。



あたしのために、湊はいままでたくさん悩んで胸を痛めていたんだと思う。