どうしてお母さんが病気になるの?
ねぇ、どうして……どうしてよ……。
「……他の病院で診てもらおう?まだ治療法だってあるはずだよ。ね?お願い……っ……お願い、お母さん……」
あたしの手を握ったまま、お母さんは首を横に振った。
「湊くんのお父さんが付き添ってくれて、いままで他の病院や先生にも話を聞きに行ったわ。だけどもう……」
病気は治らないの……?
なにも方法ないの……?
「そんな……そんなの嫌だよ……」
「これからは残された時間を、穏やかに過ごしたいの……」
お母さんは涙をこぼしながら微笑む。
「ごめんね、結雨……病気になったりして、本当に……本当にごめんね……」
悲しそうな声で。
細い声を震わせて。
お母さんは謝りながら、あたしを抱きしめた。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
