湊と一緒に家を出たあたしは、玄関のドアのカギを閉める。
カギ穴からカギを抜こうとした手を止めて、あたしはうつむいたままつぶやいた。
「さっきの質問、まだ答えてないよ?あたしに隠してることあるんでしょ?」
「……なんでそう思うんだよ」
「あたしたち、何年一緒にいると思ってるの?」
湊のほうを向くと、
湊の大きな手が、あたしの頬にそっと触れる。
「結雨」
「何……?」
真剣な瞳であたしを見つめたあと、
湊はあたしを抱きしめた。
「おまえに嘘つきたくねぇから。だから……何も聞くな」
どうして、そんなつらそうな声で言うの……?


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
