「奈乃、あともう少しだけ付き合って」 「いいよ。何時間でも」 遠くで鳴いている蝉の声。 真っ白な入道雲がわき立つ、夏の午後。 誰もいない静かな球場で、 君と、青い空を見上げていた。 ――何かが終わるとき、きっと何かが始まる。 傷ついて、失って。 その度に大切なものに気づいて。 私たちはまた、夢を見つける。 そしてまたひとつ、 大人になっていくのかもしれない――。