「おーーーーいっ!」
遠くから聞こえてきた大きな声。
「そうゆうことなのかーい」
その声だけで、姿を見なくてもわかる。
息を切らしながらやってきたのは、担任のくぼっちだ。
「くぼっち~」
ふざけてくぼっちに抱きつく快。
「このくそ暑いのに抱きつくなよ。今日もがんばれよ、快っ」
そう言って満面の笑みを見せるくぼっちは、なぜか両手にうちわを持っていた。
そのうちわを見ると、快の顔写真が貼ってある。
「ねぇ、どんだけ?どんだけ俺のこと好きなわけ?」
くぼっちからうちわを取り上げた快は、うちわの自分の顔を見て笑っている。
「このうちわ、結雨に作ってもらったんだよ。なー?」
くぼっちの一言に、結雨ちゃん以外の全員が驚く。
結雨ちゃん……すごい。
うちわまで手作りしてたなんて。
「へへっ。どう?なかなかいい出来でしょ?」
「応援は、まかせとけっ」
親指を立ててウインクしたくぼっちと結雨ちゃんは、ガシッと肩を組む。
「ありがとっ!勝つよ、絶対」
快は、白い歯を見せてニコッと笑った。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
