正午すぎ、強い日射しがジリジリと肌を焼きつける。
夏らしい青空に、沸き立つ真っ白な入道雲。
カメラを上に向けた奈乃は、空の写真を一枚撮った。
「奈乃ーっ!アイス買ってきたよーっ」
アイスを両手に持った結雨ちゃんが笑顔で走ってくる。
湊くん、結雨ちゃん、琥都、奈乃の4人は、試合前の球場の外にいた。
快の応援をしにきた私たちは、外でアイスを食べながら入場までの時間をつぶしていた。
すると、ユニフォーム姿の快が手を振りながらこっちに走ってくる。
「みんな~!やっほ~!」
「試合前に何しに来たんだよ」
いつもどおりの冷たい湊くんに、
快はあきれたような表情を見せて、ため息をつく。
「せっかくみんなの顔見に来たのに……俺になんかないの?“がんばってね、ンフッ”とか“応援してるわ、ンフッ”とか。準決勝よ?」
“ンフッ”と言いながら、両手でハートマークを作る快。
緊張してる様子もなく、いつもどおりの快でよかった。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
