おばさんも結雨の複雑な気持ちをわかってるから、
再婚することを先に延ばしてたんだと思う。
だけどこのまえ……医師から言われたらしいんだ。
治療は、効果が見られないって。
“半年から1年”
それが、おばさんに残された時間だって。
おばさんは、もう長く生きられないんだ。
おばさんは、自分がいなくなったあと、
結雨がひとりになることが心配なんだよ。
親戚もいないだろ?
小学生の頃、結雨の父親が死んでから、
結雨にとって家族はもう、母親しかいないから。
俺たち、誤解してたんだ。
大人たちは、ちゃんと子供のことを考えてたよ。
あの優しいおばさんが、結雨のことをいちばんに考えないわけがない。
どんなに結雨が反対しても、
反抗しても。
親父と再婚すると言ったのは……
結雨をひとりぼっちにさせないためだったんだよ。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
