「だったら、まだ私にもチャンスあるよね?」
女の子はフラれても、湊をあきらめるつもりはないみたい。
「私、これから朝霧くんが振り向いてくれるまで頑張るからっ。じゃ……」
湊をその場に残して、女の子は先に階段を駆け下りてくる。
ヤバい、見つかる。
隠れなきゃ。
あたしは慌てて階段を降りていき、廊下の壁に隠れた。
見つからないように、あたしは壁から顔だけひょこっと横から出し、女の子が階段を駆け下りていくのを見つめた。
振られてしまった女の子は、泣いてはいなかった。
これから湊を振り向かせるために、がんばるって言ってたし。
けっこう積極的な子だったな……。
「結雨」
湊の声に、体がビクッとなる。
見つかっちゃった……。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
