俺たちが付き合っていることは、
いまもまだお互いの親にバレていない。
再婚の話が出たときから、さまざまなことを考えて、
俺たちはお互いの家には行かないようにしていた。
だけど、俺の知らない間にまた結雨がいなくなったら困る。
今夜はひとりにさせられない。
結雨を……ひとりにしたくない。
「カギ開けとけ。親が寝たら、ベランダから結雨の部屋に行くから」
「ベランダから?危なくない?」
「なんでもするよ……おまえのためなら」
すると、なぜか結雨は、うれしそうにフッと笑った。
さっきまで泣きそうだったくせに。
俺は結雨の頬を指でなぞったあと、立ち上がって結雨に手を差し出した。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
