「帰んぞ」
俺がそう言うと、
結雨は俺の体を離して、寂しげな表情で俺を見る。
「どぉして?嫌……帰りたくない」
「おまえがこんな時間にひとりで外歩いてっから、財布もなんも持たずに飛び出してきたんだよ」
「お金なら、あたしが持ってるってば」
結雨はカバンから財布を出して、俺に渡した。
一応、財布の中を見てみた俺は、思わず笑いそうになる。
「ふざけんな。2500円でどこ行くっつーんだよ」
タクシー代だけで終わりそうじゃねーか。
よくも家出する気になったな。
「朝まで一緒にいてやるから帰ろーぜ」
「どういう意味……?」


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
