恋する僕らのひみつ。




「結雨ちゃん?」



頭の上から声が聞こえて、机に突っ伏していたあたしは顔を上げる。



「あれ?奈乃……琥都と帰ったんじゃなかったの?」



「忘れ物しちゃって取りに来たの。結雨ちゃんこそ、机に突っ伏してどぉしたの?」



あたしは恥ずかしげにうつむいて頭をかく。



「二階堂先輩といると、ドキドキしちゃって……」



「あ、彼氏来てたの?」



あたしは小さくうなずいた。



「ドキドキしすぎて、疲れたぁ」



「ふふっ。そんなに?」



「うん……奈乃は琥都といるとき、ドキドキしないの?」



あたしが奈乃を見つめると、奈乃は優しく微笑んだ。



「ドキドキっていうより、安心感かな。もう付き合って1年経つからね」



あたしも時間が過ぎれば



この胸のドキドキも

安心感に変わっていくのかな?



「結雨ちゃんは、湊くんといる時のほうが自然でいられるでしょ」



「え?」



「見てるとそんな感じがする。先輩の前だと緊張しちゃうの?」



「……湊といる時のあたしのままじゃ、きっと先輩に嫌われちゃう」



「そんなことないと思うけどなぁ」



可愛く見られたいと思うと、つい緊張しちゃう。



本当の自分を知られたら、先輩に嫌われちゃうかもしれないから。



だから先輩と一緒にいると、自然と演じてしまう。



無理してでも頑張っちゃう。



でも、これが……恋でしょ?