俺はポケットからケータイをとりだして、電話をかけようとする。 伝えなければいけない。 すべてを話さなければ……このままじゃダメだ。 だけど、画面に映し出された名前を見つめたまま、 電話をかけることができない。 「……ふぅ……っ」 大きく吐きだした息が震えていた。 唇をかみしめて涙をこらえる俺は、夜空を見上げて電話をかける。 「もしもし……いまどこ?」