静かな夜だった。 目を閉じると、川の流れる音と虫の声しか聞こえない。 俺は大きく息を吐きだして、夜空の星を見上げた。 奈乃と過ごした楽しい時間ばかりが、頭の中に浮かんでくる。 もう戻れないんだな。 あの頃の俺たちは、もういない……。 「琥都……?」 その声に振り返った俺は、驚いて目を見開いた。 「久しぶり、琥都」 ――俺の前に現れた人物……その口から、衝撃の事実を聞かされることになるなんて思いもしなかった。