「え……?」
「もう……終わりにしよ」
別れの言葉を口にするだけで、こんなにもつらいのに。
俺は……本当に奈乃を手放せるのかな。
いや、手放さなきゃいけない。
このままじゃ、きっと……奈乃を傷つけていくだけだから。
「どぉして……?」
細い声を震わせて、奈乃は涙をにじませる。
「俺じゃ……奈乃を幸せにできないから……」
どんな言葉で別れたらいいのか。
どうすれば、いちばん奈乃を傷つけずにすむのか。
ずっとずっと、考えていた。
俺が、奈乃に対する気持ちが冷めたから……そう嘘をつくことも考えた。
奈乃に嫌われるようなことをして、わざとケンカをして別れることも考えた。
たくさん悩んで、いろんなことを考えた。
だけど、やっぱり……ちがう。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
