『うちの中学でも有名だもん。たぶん、浦中くんのこと知らない人いないよ。ケンカ……強いんだってね』 『べつに』 『奈乃も……ケンカ強くなりたいな……』 このとき初めて、彼女の名前を知った。 見た目どおりの可愛らしい名前だと思った。 『おまえ、本気で言ってんのか?』 『ふふっ、冗談だよ。どれだけ傷つけられても、やり返す勇気なんてない』 『……もし、あんたが誰かに傷つけられたら俺がやり返してやるよ』 俺がそう言うと、奈乃は俺の顔をのぞきこんでジッと俺を見つめる。